トーン、トーン、トーン。
金属を打つ音が、年季の入った工場の中に響き渡ります。
火に入れて叩き、叩いて火に入れて。薄暗い工場で、赤い火花が飛び散ります。
汗がしたたり落ちる中、真剣なまなざしで作業を進める職人の男性。
妥協を許さないプロの熱気を感じました。
10月1日から配信がスタートとなった新潟県燕三条地域の工場を紹介する動画「LIVE! KOUBA」。
中でも、10月22日午前にWEBにアップされた古式鍛錬所(三条市)の動画が、特に印象に残っています。
今回はこの動画と、「LIVE! KOUBA」について紹介したいと思います。
LIVE! KOUBAの動画とは
新潟県燕三条で毎年開催されているイベント「工場の祭典」が、コロナウイルスで中止となったため、その代わりとして10月1日から工場の様子を伝える動画配信が行われています。
毎日テーマが設けられており、初日は「和釘」でした。
午前中は5分前後の動画配信、午後は工場見学などのライフ配信が土日を除く毎日行われています。
午前中の動画はvimeo、午後の動画はYoutubeにアップされています。
特にライブ配信は、スタート直後は音声が途切れたり、映像が乱れたりといったトラブルもあったのですが、だいぶスムーズな動画配信が行われるようになっています。
ある意味、手作り感が楽しめる。そんな映像です。
私オススメ!玄翁の製造工程
新潟出身で、燕三条地域もなじみ深い私ですが、工場の中を見る機会はほとんどありません。
燕三条地域を歩くと、カーン、カーンと金属を打つ音がしたり、ガチャンガチャンとプレスする音があちこちで聞こえてきます。
私にとって、そんな音がすることが、あまりにも当たり前だったのか、これまで特段の興味を持つことがありませんでした。
今回、動画配信でじっくりと見学することができ、俄然興味が沸いています!
なかでもお気に入りは、10月22日にアップされた「玄翁」の回です。
玄翁(げんのう)とは、釘を打つときに使う両口の金槌。
「うんうん、こういうおじさん燕三条で見かけるよね」といった姿の職人の男性が、工場の中で黙々と作業しています。
こんなふうに丁寧に手作りされている玄翁があるなんて!と驚きました。
作業に向かう真剣な表情。作業の合間の一服の時の緊張感が解かれた表情。対照的でした。
工場の中では、毎日こんなふうに真剣勝負が繰り広げられているのか!
動画で作られていく玄翁には、芸術品のような美しさがありました。
動画配信は10月31日まで
動画配信は、今週31日まで毎日続きます。
27日が和剃刀、28日が塗装、29日が梱包、30日が廃棄物。最終日の31日には、動画の総集編のほか、締めくくりとして「工場の祭典」の歴代実行委員長たちによる対談が行われます。
工場の日常がちょっと垣間見れる機会です。
お気に入りの動画を見つけてみてはいかがでしょうか。
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